台湾フライトツアー'07

2007.Mar.01-05.

陳さん企画&フルサポートの台湾ツアーに、富士見パノラマから自分と熊さんの二人で参加してきました。日本全国から現地に集結したフライヤーは総勢20名弱。自分が台湾に飛びに行くのはこれで2回目。前回訪問2005年の時にはパイロット検定を決めた、自分にとって縁起の良い場所です。今回も、超豪華5星ホテルに滞在し、現地移動は豪華2階建てチャータバスの極楽ツアー。同行メンバは、F1を中心に活躍するバリバリのコンペチタ多数。クロスカントリーフライトを志向し、回収態勢も万全のパワフル&ワクワクツアーでした。

賽嘉(Sai Chia)フライトエリア

今回のツアーでは、フライトしたのは3日間。飛んだエリアは、この季節の定番、賽嘉(Sai Chia)エリアです。幸い3日とも天気に恵まれ、全日飛ぶことが出来ました。前回始めて台湾に来た時にも飛んだエリアで、大体様子は分かっているので安心。今シーズンは台湾でも異状気象なのか、この辺りも例年より随分暑いらしく、日中は30℃を軽く越え、LDでグライダーを畳んでいる時には、Tシャツ1枚でも汗だくになってしまいました。

クロスカントリーフライト

TOの向きはほぼ真西で、この季節だと11時ぐらいから北西の風で飛び始めるようです。お昼12時ぐらいになると次第に海風が入り始め、南西の風に変わります。クロカン狙いのフライヤーは、この変化前後にTOするのが良さそうです。日中ピークでは、グライダーを立ち上げるのに手こずる程のブローがTOに入ることも珍しくないそうです。
エリア近くを流れる大きな川は、どんどん北へと遡り、川の東岸の尾根伝いに北上するのがここのクロカンフライトの定番。数10kmのクロカンが出来るそうです。クロカン道中の主なLD場所は、この川の河原です。TOから最初の10数kmは、尾根から河原までの距離が少しあるため、気合いを入れて飛ぶ必要がありますが、この季節は川の水量が少なく河原が広く、送電線も殆ど無いため、降ろす場所を探すのは比較的容易です。ただ、広いからといって中州に降りてしまうと、後が大変なので要注意です。
最初の難関は、TOから北へ4km弱の場所にそびえる朝日山への大きな谷渡りです。TOの標高は約440m、朝日山山頂は標高約900m。TO前方やLD付近のグランドサーマルを捕まえて上げきり、出来れば1000mぐらいGainしてから谷を渡るのが良いそうです。朝日山で再び高度を稼ぎ、南風がしっかりしてきたら、いざ北上です。
今回我々のツアーでは、クロカンのゴールを、TOから北に直線距離40kmにある「宝來温泉」に設定。ゴールの河原に無事LDしたら、目の前にある温泉にゆっくりつかって、お迎えのバスを待つ、ってなご機嫌なタスク。ゴールを目指すフライヤーの後からは、4駆車に乗った現地サポートフライヤーと、チャータバスが追いかける、万全の回収態勢でクロカンフライトに臨みました。

フライト初日(3/2)

朝起きて外を見ると、まずまずの天気。豪華で美味しい朝食バイキングをたらふく頂き、朝9時にホテルのロビーに集合です。今回のツアーでは、現地のホテル集合&解散のため、殆どのメンバと初合流。軽く挨拶を済ませて早速チャータバスへ。ホテルからエリアまでは、1時間少々。久しぶりの台湾の車窓を楽しみます。道中、陳さんからクロカンタスクの解説を受け、自分的初のクロカンに少々武者震い。
いよいよ到着、エリア初挑戦のメンバのために、先ずLD見学へ。陳さんの「結局ここには1度も降りないかも知れないけどね」の声に、期待膨らむ。LDで合流した、回収サポートのチェンさんから地図を受け取り、いよいよTOへバスで向かう。陳さんにGPSデータをダウンロードしてもらい、TOの準備をぼちぼち開始。だが、段々日照が寂しくなってきた…。2/3ぐらいの仲間を見送った後、午後1時前にようやっと自分もTO。最初の10分ぐらいは上昇成分もあったものの、徐々に高度を下げ続け、もがくも敢え無くLDへ。最初の方にTOした何人かは、朝日山にたどり着き頑張っている模様。他のLD組ともう一度TOに上がり、気持ちよくぶっ飛んで自分の本日のフライト終了。結局、ゆきぴー独りが見事ゴール。凄いね、感服。
ホテルのロビー チャータバス 賽嘉LD
ホテルのロビー 豪華チャータバス 賽嘉LD

クロカンに出たメンバとの合流を待つため、帰りの途中でワンタン屋さんに立ち寄り、ちょいと一杯。豚足も美味しかったです。高雄のホテルに戻ると、今晩現地到着のメンバと合流して、近くで開催されているランタンフェスティバルを散歩がてら見に行ってきました。ランタンフェスタは、台湾各地で元宵節に開催されるお祭りです。川の両岸と噴水がイルミネーションで彩られ、多くの人々でにぎわっていました。
ホテルのロビー2 ランタンフェスタ イルミネーション
ホテルのロビー2 ランタンフェスタ イルミネーション

フライト二日目(3/3)

今日も天気は上々、今日こそはと気持ち高ぶる朝でした。エリア途上の車中で、昨日手に入れた地図を見ながら、陳さんの解説に皆さんやる気満々。エリアに到着すると、LD見学の後バスでいよいよTOへ。昨日と違って、暫くは日照も問題なさそう。現地の人が早々と飛び始めたのも手伝って、皆さん積極的に準備開始。昨日出遅れた反省から、自分もさっさと準備を終え早めにTO。
ワォー、ヤッホー、キャー、ヒー

てな訳で、初めてのクロスカントリーフライト40km無事ゴール。感無量、最高でした。
自慢のフライト詳細は、こちら
クロカン解説 宝來温泉 ご機嫌な二人
地図を見ながらのクロカン解説 ゴールの宝來温泉(要水着) ゴールを決めてご機嫌な二人

温泉で汗を流して、心身共に最高な気分でお迎えのチャータバスと合流。今晩のメインイベントは、待ってました海鮮料理。ロングフライトと興奮の連続で、お腹のコンディションも用意万全。高雄に向けてTO方面へ川沿いに戻ります。自分が今し方飛んできたフライトコースを地上から見上げると、それが結構険しい。山々は高く深く、河原から道路へ出るのに数十mはあろうかと言う崖がはだかる場所もあったりする。無事ゴールできて良かったよかった。
ようやく海鮮屋に到着したのは、7時ぐらい。喉はからから、お腹もぺっこぺこ。綺麗なお姉さんが持ってきてくれた台湾ビールと、巨大伊勢エビを始め豪華海鮮料理の数々をたらふく頂きました。大満足。帰り道に、腹ごなしに屋台連なる夜店を散歩し、ホテルに帰りました。充実の一日終了。
海鮮屋の店先 Beerガール 賑わう夜店
海鮮屋の店先 海鮮屋でBeerガール 10時を過ぎても賑わう夜店

フライト三日目(3/4)

今朝の景色はいつもと違う。なぜかとっても視界がクリア。高雄で目覚めること、今日で通算6日目だけど、こんなの初めて。気持ちは良いけど、何だか恐そう?バスに乗って賽嘉に向かうも、高雄市内はビュービューの爆風。ひょっとして、今日はダメかや?と心配していたけど、賽嘉に到着してTOに上がると、ちょいと風は強めながらも、別にどうって事なさそう。先にTOした機体の動きを注意深く見守るも、問題なさそう。それじゃって事で自分もTO。昨日の今日なのと、風の急変を少し恐れて、今日はTO周辺をリラックスして楽しむ事にしました。今日もサーマルは豊富、1300m以上ゲインして、TO背後から南東に続く尾根の山頂まで行って裏側の谷を眺めたり、少し西の沖まで足を伸ばしてグランドサーマルを拾う練習をしたり、とっても楽しかったです。TO後2時間ぐらいすると、強めの南風が入ってきたせいかTO周辺が少し荒れ出したので、大人しくLD。汗だくになりながらグライダーを畳み終え、ビールで一息。その後、ゴールに向かった仲間数人と合流するため、チャータバスで宝來温泉へ。
クリアな朝 賽嘉もクリア お迎えの宝來温泉
クリアな朝の風景 賽嘉もクリア お迎えの宝來温泉

本日夜のメインイベントは、本ツアーのもう一つの大きな目的、塩水のロケット花火大会参戦です。地元の人をも、"fucking crazy !" と言わしめる、強烈なお祭りです。塩水は台南から北に車で1時間程にある、かつて水運で栄えた街だそうです。宝來温泉から、峠越えの山道で向かいました。途中、タロ芋アイスで有名(らしい)な「三冠王芋氷城」でアイスとまんじゅうを頂きました。なんと、これはバスの運転手さんから我々への奢りです。美味しかった、ご馳走様でした。塩水まで後少しの街で一休み、メンバ紹介の海鮮料理屋さんで戦の前の腹ごしらえをしました。高級感ある店の個室で、またまた美味しい海鮮料理の数々。連日続くと流石に有り難さは薄れるものの、やっぱり美味しかったです。
いよいよ目的地でバスは停車、特別仕様に生まれ変わったヘルメットを片手に、全身防備でいざ戦地へ。メンバ全員、車中でヘルメットの改造は万全。顔と首を守るために(必須)、メッシュシールドとタオルを装着しました。バスを降りるとGPSに現在座標を入力。戦地ではぐれて独り戻る時には、これと無線がきっと役に立つに違いない。祭りのメインとなる市街中心目指して約2kmの道を歩きます。だんだんと爆竹やロケット花火の炸裂音が近づいてくる。中心に到着すると、辺り一面フルフェイスヘルメットで防備した群衆が。あちらこちらで鳴り響く爆音。時々ロケット花火も水平に飛んでくる。更なる刺激を求めてロケット発射台を探し歩く。発射台にはウン万発のロケット花火が数段の棚に水平にセッティングされ、それらが一斉に水平に群衆に向けて発射される。と、とんでもない話である。あった、ついに発見。ちゃんと消防車も少し離れた所に控えている。ヘルメット装着で人混みに揉みくちゃにされ、汗だくになって発射を待つこと約30分。10mぐらい前方に居並ぶロケットがついに総攻撃開始。至近距離で絶え間なく続く閃光と爆音、そしてむせる程の硝煙。1分間余りのはずですが、殆ど腰抜け状態で、必死で前の人の背中(楯)にしがみついていました。それでも体に数カ所被弾し(跳弾?)、かなり痛かった。
ロケット発射台は市街のあちらこちらに設置され、一晩中あちらこちらで激戦が繰り広げられています。戦いの後は、アスファルトが殆ど見えない程の大量の花火屑で埋め尽くされます。鬼のように投入される爆竹も、小指大で日本のとは格が違います。引切り無しに打ち上げられる打上げ花火もド迫力です。こんなのが普通の繁華街のど真ん中で繰り広げられる様は、正気の沙汰ではありません。
今晩も豪華な海鮮料理 防護ヘルメット? 嵐の前の静けさの戦場?
今晩も豪華な海鮮料理 防護ヘルメット? 嵐の前の静けさの戦場?

雑感

  • 初めてのクロカンフライト、癖になりそう。追い風を受けながらひたすら走り、向かう先で日照と風を受けている斜面を探し出し、張り付き上げ直し、更に走る。サーマルに乗って尾根伝いに風下に流し、更なる上昇率を狙って形の良い尖ったピークを目指す。とってもエキサイティングなフライトでした。
  • 塩水のロケット花火大会、ほんと強烈でした。日本ではあり得ない、信じられない、まさにカルチャーショック。海外遠征の醍醐味です。
  • 今年の台湾は、いつにも増して暑かったらしい。暑がりな自分は、夏には近づけそうにないです。
  • 宿泊したホテルは、5星の前回と同じ豪華ホテル、部屋は広くて綺麗で、食事はとっても美味しい。街の酒、食事も安くて旨い。タクシーは、格安料金でカッ飛ばしれくれる。今回のツアーでもプチブル気分を味わえました。

  • Acknowledgement

  • 今回も、エキサイティングなツアーを企画、フルサポートして頂いた、陳さんありがとうございました。楽しかった、感謝。また一緒に連れて行って下さい。
  • 4駆車でクロカン回収のサポートをして頂いた、チェンさん、サニーさん、ありがとうございました。お陰で安心して飛ぶことが出来ました。バスの運転手さん、3日間狭い道を巧みなテクニックで無事走破して頂き、色々奢ってくれたりもして、大変お世話になりました。今回のツアーをサポートして頂いた、現地の方々に深く感謝します。
  • 同行のフライヤーの皆様方、楽しかったですね。今後ともよろしくお願いします。近いうちに、また何処かで一緒に飛べる日を楽しみにしています。台湾だったりして?

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